AからZで考える「高知の森林鉄道」展がオープンいたしました。
12月11日(10:00-18:00)まで、高知市の藁工ミユージアムで開催を致します(火曜休館)
会場の案内をいたしますと、まず、会場入り口で酒井の森林鉄道機関車が皆さんをお迎えします。
会場に入ると、3つのブースに分かれ、最初のブースでは大阪や東京の鉄道遺構写真展で人気があった西山芳一さん(土木写真家)の魚梁瀬森林鉄道や伊尾木林道の遺構写真を大型スクリーンで見るとこができます。
次の会場では、中央に中芸地区(5町村)の立体図が置かれ、魚梁瀬森林鉄道の路線や、重文指定になった遺構のある場所が一目でわかるようになっています。
そして、周辺には遺構のジオラマや、木材の伐採や搬出、保線などで使われた道具等が展示されています。
壁面には、重文指定になった遺構や、森林鉄道が活躍していた時代のパネル写真が展示されています。
また、森林鉄道が走っていた時代の動画が見えるコーナーもあります。
最後のブースでは、魚梁瀬森林鉄道以外の高知県の森林軌道の写真を展示しております。
手前が田野貯木場(左)、奈半利貯木場(右)です。そこから森林鉄道本線が上流(上)に向って延びておりました。左の黄線が安田川線、右の黄線が奈半利川線になります。重文指定になった遺構については、名札で一目でわかるようにしております。立体図にすると中芸地区は山ばかりである事が良くわかります。
木材の伐採や搬出道具、線路の補修に使われた道具なども展示しています。
高知の森林鉄道展の関連イベントの第一弾として、10月15日午後1時30分から高知大学主催でトークイベント「魚梁瀬森林鉄道が私達を魅了する理由ー研究者から愛好家まで」を開催し、魚梁瀬森林鉄道や中芸地区へのお互いの想いや魅力を語り合い、日本遺産への指定と活用に向けてどのような取組をしてゆくべきか話し合いました。
左から松本志帆子さん(藁工ミユージアム学芸員) 岩佐光弘さん(高知大学人文社会科学部准教授) 清岡博基さん(中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会会長) 舛本茂行さん(森林鉄道研究家) 浜田光男さん(高知の電車とまちを愛する会副会長) 松井和彦さん(TBSビジョン「日本遺産」プロジューサー) 赤池慎吾さん(高知大学地域連携推進センター)
高知人文社会科学会 2015年度公開シンポジウムの一環として、中山を元気にする会と、中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会がシンポの翌日、3月6日(日)に企画した「魚梁瀬森林鉄道の遺構を訪ねる」モニターツアーは、天候の関係で、奈半利町・田野町の林鉄遺構や文化財を巡るコースは実施されたが、北川村西谷支線を探索するコースは、高知県観光コンベンション協会よりストップがかかり実施されなかった。
しかし、県外からシンポに出席をされ方で西谷支線跡を是非見たいという申込みがあり、個人的な取扱として中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会の矢田副会長、清岡会長の案内で3名の方を案内した。
—————9:00 田野町ふれあいセンター(出発)-西谷事業所跡-木橋ーインクライン跡-馬路さま祠-切通や素掘りの隧道跡-長山橋脚跡-加茂隧道-立岡桟道-田野駅-ふれあいセンタ(着)—————-
素掘りの隧道跡(西谷支線)
調査がまだ十分なされていないので詳しい事が分かっていないが、洞窟の一部を素掘りして森林鉄道の隧道として使用していたのではないかと思われる。この隧道の周辺には軌道跡の石積みも多く残っている。
切 通 し(西谷支線)
切通しが連続して続き、その先に隧道がある。
長山橋脚跡(西谷支線)
本線(魚梁瀬森林鉄道奈半利川線)より西谷支線に入って直ぐの場所にある。
3月5日(土)午後1時より、高知県安田町正弘の集落活動センターで「魚梁瀬森林鉄道を通じた地域再考と地域振興」というテーマで、高知大学人文社会科学会主催によるシンポジウムが開催された。
第1部では、岩手大学の脇野博先生から、日本の森林鉄道の展開や衰退について、高知大学の赤池慎吾さんからは魚梁瀬営林署を中心とした国有林のこれまでの木材生産の状況等について基調講演が行われた。
第2部は、中芸地区森林鉄道遺産を保存活用する会の清岡博基から、魚梁瀬森林鉄道のこれまでの取り組み報告がなされ、それをうけて 安田町ふるさと応援隊の中村茂生さんから、これからの集落活動センターなかやまを拠点とした魚梁瀬森林鉄道の保存と活用への取り組みについて提案がなされた。
また、高知大学の岩佐光広先生からは現在行っている林鉄の聞取り調査報告、高知県立大学の飯高伸五先生からは北川村での林鉄遺構を活用したフィールドワーク教育の取り組みが報告された。
また、シンポ会場の隣では、県内の森林軌道の写真展が開催され、それぞれ取り組みをしている団体の情報交換も行われた。
あわして新聞で呼びかけた昔の林鉄関係写真提供には、多くの写真が持ち込まれ、スキャニングとデーター保存を行った。
当日のシンポには、予想をはるかに超す140名の出席があり、会場に入りきれず、廊下にあふれるほどであった。
高知人文社会科学会 2015年度シンポジウム会場(集落活動センターなかやま)
プログラム(13:00-17:0)
「第1部」基調講演1 脇野博(岩手大学教育推進機構)日本における森林資源開発と森林鉄道の展開・衰退
基調講演2 赤池慎吾(高知大学地域連携推進センター)国有林経営における魚梁瀬林業の位置づけ
「第2部」地域と関わる活動の報告
清岡博基(森林鉄道遺産を保存・活用する会会長)魚梁瀬森林鉄道保存・活用のこれまでの取組
中村茂生(安田町ふるさと応援隊)集落活動センター中山の魚梁瀬森林鉄道観光活用拠点化に向けての試み
岩佐光広(高知大学人文学部)高知大学による魚梁瀬森林鉄道に関する調査について
飯高伸五(高知県立大学文化学部 林鉄遺構を活用したフィールドワーク教育ー北川村での取組から
高知県内の森林軌道写真展会場(集落活動センターなかやま)
=== 展示森林軌道 ===
・黒尊林道(四万十市) ・大正林道(四万十市) ・長沢林道(いの町) ・伊尾木林道(安芸市)
5月より毎月開催してきた「魚梁瀬森林鉄道アート&ライブ」最終回は、10月17日(土)18時より、安田町のバンダ島隧道で開催した。
今回のライブは、高知市のウクレレ奏者 KYAS が出演して、カバー曲15曲を披露し、多彩な音色がトンネル内に響いた。
また、トンネル周辺には、キャンドル作家 藤岡さわ さんが、ライブに合わせて約2千本のろうそくの明かりで幻想的な空間を演出した。
バンダ島隧道の紹介(北坑門)

このバンダ島隧道は、明治44年に魚梁瀬森林鉄道(田野~馬路経由~魚梁瀬石仙)の下流ら2番目のトンネルとして尾根の岩盤を貫いて設けられた。全長37.6m、内法幅3,050ミリ、内法高3,494ミリ、断面形は一般的な馬蹄形ではなく、路盤に対して側壁が垂直に立ち上がり半円のアーチを載せる形式で、開通当初の姿をよく残している。
この隧道のある場所は、安田町与床から対岸の町道(旧魚梁瀬森林鉄道安田川線)に橋をわたり、上流に1キロぐらい行った所にある。
町道は昔の森林鉄道跡の面影を色濃く残しており、バンダ島隧道も町道として現在も利用されている(道幅は狭い)
今月の魚梁瀬森林鉄道ライブは、9月26日(土)午後2時より、安芸郡北川村入口にある加茂隧道で開きました。
今回は、県内を拠点に活躍しているBiscottiに出演していただき、オリジナル曲やカバー曲15曲を披露していただいた。
トンネル内に流れる心地よい風と、隧道独特の音響の中で、ギターに合わせた感情のこもった歌声に観客はライブを堪能しました。
また、ライブに先立って毎回行っている森林鉄道の話は、中芸地区森林鉄道遺産を保存活用する会の会長が、この隧道を通って魚梁瀬まで延びていた「魚梁瀬森林鉄道奈半利川線」の敷設から廃線までの話しや、加茂隧道の構造や特徴について説明をした後、馬路村河口隧道で好評であったSLの走行音を、今回は磐越東線で収録した8620形蒸気機関車の通過音を聞いてもらった

——–加茂隧道 南坑門より撮影———–

————加茂隧道 北坑門より撮影———–
加 茂 隧 道 の 紹 介(南坑門)

この加茂隧道のある魚梁瀬森林鉄道奈半利川線は、昭和7年1月に開通しており、この隧道は昭和6年頃には完成していたものと思われる。隧道の全長28.1m、内法高3.9m、内法幅は路盤高3.3m、スプリングライン3.6m、側壁は切石を6段、アーチは迫石を要石まで15石積上げ、断面は馬蹄形を呈している。
平成25年頃までは構内は廃材置き場となり、ほとんど管理されず、周辺も草が生い茂り荒れ果てた状態にあった。 平成27年に「高知県まるごと東部博」が開催される事になり、中芸地区森林鉄道遺産を保存活用する会の中で整備の声が高まり、平成26年より同会浜渦副会長を中心に整備を進め、今回のライブ開催に漕ぎ着けた。
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「高知家・まるごと東部博」音楽イベント「魚梁瀬森林鉄道ART&LIVE」を6月20日午後2時より、高知県安芸郡馬路村の中心地から10分くらい行った所にある河口(こうぐち)隧道で開いた。
今月は京都を拠点に活動しているアコースティックトリオ「ザッハトルテ」に出演してもらった。
ランタンとキャンドルの明かりが、隧道の石積に反射し、独特の雰囲気を漂わせる会場で、アコーディオン・チェロ・ギターによるヨーロッパの古き良き大衆音楽の雰囲気を取り入れた彩り豊かなオリジナル曲が演奏された。
3人のリズミカルで一体感のある演奏と、トンネル独特の音響効果があいまって迫力ある演奏会となり150人が酔いしれた。
” 河 口 隧 道 の 紹 介 ”
魚梁瀬森林鉄道には重要文化財の指定をうけた隧道が6つある。
今回、ライブを行う事になった「河口隧道」は、魚梁瀬森林鉄道安田川線の下流から数えて8番目(大正4年)に建設された隧道である。
内法幅3メートル・内法高3.5メートル・全長89.9メートルである。
側壁は切石を6段、路盤に対して垂直に積み上げ、丸天井のアーチが載る形式である(安田川線の隧道は馬蹄型断面になっていない)
入口の隅石、右側の最上段に8番目の隧道である「Ⅷ」のローマ数字が刻印されている。
現在、村道として利用されているが、浸食によって丸天井の石が落下し2ケ所で鉄板を巻いている。
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魚梁瀬森林鉄道の遺構で開催される(5月~10月まで6回)「魚梁瀬森林鉄道ART&LIVE」の第1回目が奈半利町ふるさと海岸で行われた。
この場所は、魚梁瀬森林鉄道の奈半利貯木場があった所で、昭和6年から廃線になる昭和38年まで魚梁瀬杉の集積場として使われ、初期には、桟橋から関西方面に船による素材丸太の積み出しが行われていた。
今回は(5月23日午後6時開演)土佐清水市出身の土佐琵琶奏者 黒田月水さんを招き、波の音を聞きながら「平家物語と空海」を披露してもらった。
観客は森林鉄道が活躍した時代に思いを馳せながら、竹にろうそくを入れた「竹あかり」の叙情的な雰囲気の中で、琵琶の音色としっとりとした朗読の弾き語りに魅了された。
次の2回目は、馬路村の大正4年に造られた河平隧道の構内で「アコーディオン・チェロ・ギター」による演奏が行われる。(6月20日午後2時より4時まで・参加無料)
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